原油価格の下落はトルコにとって好材料!

トルコの人々にとって大事なのはドルトルコリラです。

私たち日本人はトルコリラ円のチャートを見ていますが、トルコ人が見ているのはドルトルコリラのチャートです。

ドルトルコリラが1ドル5リラという節目を超えて史上最安値を更新し続けました。

2017年中は1ドル3~4リラ台をキープしていたのですが2018年に入ってドルトルコリラは5リラに下落し続けたのです。

ドルトルコリラを上昇させるための条件とは

大きく分けて条件が二つあります。

ドルトルコリラが上昇するにはリラの価値を上げるためにトルコの政策金利を上げる必要があります。

経済学を習っていれば当然の施策であり、常識です。

もう一つは輸入に依存しているエネルギー源である原油価格が下落することです。

先ず、政策金利のお話をしましょう。

政策金利を上げると高金利通貨となり、トルコリラを持っているだけで利息がもらえるからです。

そうすると世界中の投資家がトルコリラを買って保持するわけです。そのためトルコリラは上昇を続け、価値が上がるという理屈になります。

しかし、トルコ国内で暮らす人々にとっては国の金利が上がるわけですから住宅・自動車などのローンの金利も上がるわけですね。

そのためローンを組んだり、クレジットカードの分割払いをして高額な買い物をする人が減少します。

トルコの消費が冷めて景気が悪くなってしまうと、エルドアン大統領は懸念しているのです。

トルコ中央銀行に口先介入をして政策金利を上げないように強権を働きかけていると思われがちだったのですが、2018年10月に政策金利を24%に上げるサプライズをしてドルに対しトルコリラが上昇し続けました。

つまり、政策金利を上げればドルに対してリラの価値が上がり、ドルトルコリラは上昇を続けます。

トルコ国内の大半の企業はドル建てで借金をしているためドルトルコリラの下落は借金が増えるだけであり、上昇させる必要があるのです。

トルコリラの価値がドルに対して上がれば輸入コストも下がり、物価が下がります。すなわち消費者物価指数(インフレ)の上昇を食い止めることができるのです。

2018年11月時点で25%ある消費者物価指数はドルトルコリラが1ドル6リラ台に達してしまったためです。

このように、世界の機関投資家を安心させるべく政策金利をいつでも上げられるようにトルコ中央銀行の独立性を保ち、ドルトルコリラが上昇を続ければ物価も安くなり安定し、消費が活発になり、インフレも下がっていくという構図が出来上がります。

原油価格が下がればトルコの輸入コストが減る

2018年11月末、原油価格が乱高下しています。

米原油市場で10月に約4年ぶりの高値となる1バレル76ドルをつけた原油先物は、11月に入ると同50ドル近辺まで3割下がりました。

原油安はトルコなどの消費国には恩恵です。

原油価格の急落は2つの要因があります。

ひとつは石油在庫の増大です。石油輸出国機構(OPEC)は6月の総会で減産を緩和しました。米国のシェールオイルの生産量も過去最高のペースで増えています。

加えて、11月初めに米政府が核合意からの離脱に伴うイラン産原油の禁輸措置を発動する直前、一部の国に対する制裁適用の除外を容認しました。この結果、供給不足への不安が薄れたのです。

もうひとつは世界経済の減速への懸念です。需要をけん引する米国と中国の貿易摩擦の長期化を受けて、石油消費の伸びが鈍れば供給が過剰になるとの警戒感が市場に広がるのです。

このまま原油価格が1バレル50ドル台をキープしてトルコの輸入コストを抑えて貿易収支をプラスにしていきたいものですね。

2018年11月30日に発表された貿易収支は-4.6億ドルで2009年以来の減少だそうです。前年の貿易収支は-73億ドルのため劇的に改善されているのが分かります。