トランプ大統領の茶番劇発動!シリア侵攻に対抗措置でトルコ3閣僚に経済制裁!

トランプ大統領に弄ばれるトルコ、平和の泉作戦が完了すれば制裁解除されると予想

シリア北東部から米軍が撤収したのを受けてクルド人勢力のシリア民主軍(以下SDF)に攻撃を開始したトルコですが、トランプ大統領は自身の選挙活動のためにアメリカ内で米軍をシリア北部から撤収させたことに対する批判をかわす行動に出ました。制裁内容はトルコの国防相とエネルギー天然資源相、内相の3名を指名してアメリカ国内の資産を凍結した。正直どうでもいい軽い制裁です。次にトルコ製の鉄鋼に課す追加関税も25%から50%へと倍増させるとのこと。少しトルコ経済に影響がありそうです。このNEWSによりドルトルコリラは1ドル5.9274リラまで下落しました。不幸中の幸い、ドル円が108円をキープしているためリラ円は18円前半を維持しています。制裁の強化で、軍事作戦を激化させないよう自制を促したのでしょうね。

しかし、私はどうも腑に落ちない点があります。

トルコのエルドアン大統領はトランプ大統領に散々シリア難民が300万人流入してきて困っている、SDFに居るトルコ国内で活動するテロリストを排除したい、といったこれまでの歴史を交えた不満を会談でお話しているはずです。トランプ大統領はビジネスマンであり策略家です。考えがあってこれまで米軍が支援してきたSDFを見捨ててシリア北部から撤収をした訳です。

ではここでトランプ大統領の今後の選挙活動でメリットになることを列挙しましょう。

大統領選挙活動のための行動
・中東から米軍を撤収させて馬鹿げた軍費支出を無くしたい。

・中東から米軍を撤収させて米軍の死者やけが人を無くしたい。

・進軍したトルコへの経済制裁で米国内の批判を避ける。

上記のようにトランプ大統領はエルドアン大統領に米軍を撤収させたいことを伝えてお互いの利害関係が一致したのでしょう。シリア北部から米軍を撤収させるタイミングでトルコは進軍して構わないよと暗黙のサインを送ったのです。

更に面白い疑問があります。はたしてトルコへの経済制裁まで二人のシナリオに組まれていたのでしょうか?

私が思うトランプ大統領による茶番劇は以下の通りです。

このトルコに対する経済制裁の発表に対し、トルコ側もしくはエルドアン大統領による反論声明が一切出てきません。トランプ大統領はアメリカ国内、また世界中で米軍撤収に対する批判が起きることは想定できたはずです。批判は選挙活動で大きなダメージです。そのため先を見越して、トルコへの経済制裁をすることを前提の上でエルドアン大統領と話し合い済みでトルコ進軍を許したのではないか?と私は考えるわけです。

それだけトルコはシリア内戦でシリア難民がトルコに流入してきていることに困っているわけです。なぜ困っているのかと言うとトルコ国内の労働がシリア難民に奪われてしまうといった様々な理由があります。治安が悪化する原因にもなっています。エルドアン大統領は演説でEUがトルコ進軍は占領だと述べてきたことに対して「正気に戻れ」と呼び掛け「もう一度言う。目下の作戦を占領と位置付けようとするなら、我々の仕事は簡単になる。ドアを開けて難民360万人をあなた方のもとに送る」と反論したのです。

では、ここまで出来事を踏まえ、私の考えを整理します。

1.トランプ大統領はシリアから米軍撤収させて馬鹿げた軍費支出や死人けが人を出したくない。

2.エルドアン大統領はシリア北部に安全地帯を作ってシリア難民を帰還させたい。

3.世界中で批判が起きるので米の立場として経済制裁(大して重くない)することで互いに了承済み。

4.平和の泉作戦を遂行すれば制裁は解除予定のため痛みに耐えるトルコ。

5.トルコ・アメリカ両者共にWinWin

戦争が激化して終わりが見えなくなると言う人も居ますが、私はトルコが安全地帯を作れたら平和の泉作戦はすぐに終了すると見込みます。トルコリラロンガーにとって眠れない日々になるかと思います。こればかりは世界のヘッジファンドがどこまでドルトルコリラを売り浴びせてくるかわかりません。この平和の泉作戦が無事終了するまでじっと耐え続けましょう。

アメリカの後ろ盾を無くしたクルド人勢力シリア民主軍(SDF)はシリアのアサド政権を後ろ盾にしてトルコ軍と交戦!

トルコの平和の泉作戦は更に複雑さを増しました。

イスラム国(ISIS)を拘束するためにSDFを軍事支援していたアメリカ軍がシリア北部から撤収することを受けて、トルコ軍に殲滅されそうになったSDFはシリアのアサド政権が味方に付くことになったそうです。

更にロイター通信によるとこの協議はシリア北西部ラタキアのロシア軍基地で行われた模様。ロシアはアサド政権の後ろ盾です。半面、トルコはシリア反体制派の後ろ盾です。そのためロシアはトルコ、SDF、アサド政権側3者の仲介役を買って出る可能性があります。

また、イタリアはトルコ防衛のため同国南部に配備しているミサイル防衛システムを11月に撤収するとトルコのチャブシオール外相に通知したそうです。トルコ軍による隣国シリア侵攻への抗議とみられます。北大西洋条約機構(NATO)加盟国内でトルコの孤立が深まってしまいそうですね。

ちなみにシリア内戦が始まった後の2013年から、NATOは最新鋭のミサイル防衛システムを持たないトルコのため同システムを配備してきた背景があります。トルコは2019年7月、NATOの仮想敵ロシアから地対空ミサイル「S400」を購入済みです。トルコ、イタリア、スペインはいずれもNATO加盟国でありこの騒動はNATOにおけるトルコの孤立とロシアへの傾斜を加速させる可能性があると考えます。

悪いNEWSだらけのトルコに唯一の朗報!2019年9月の経常収支は+26億ドル!

2019年9月トルコ経常収支
先日発表されたトルコの2019年9月の経常収支は前年比+0.1億ドル増の26億ドルでした!上図の通り過去ずっとマイナスの経常収支を続けてきたトルコ経常収支がプラスに転じているのはトルコリラロンガーにとって嬉しい情報です。ただ、市場予想より2億ドルほど少なかったのが玉に瑕。

原油や天然ガスを輸入に頼るトルコは慢性的な経常赤字体質ですが、18年の経常赤字額は景気悪化と輸入減を受け、10年以降で最も低い水準となりました。19年9月の経常収支が大きくプラスに転じた理由に原油安が大きく効いているのかと考えます。

平和の泉作戦に伴うトルコ軍の戦争開始を原因とする通貨リラの下落で2018年同様に輸入物価が上昇し、消費や投資が低迷してしまってはトルコショック後の二の舞です。トルコ経済発展のため、どうか早くトルコ軍とSDFとの闘いに終止符を打ってほしいものです。

今日も粛々とスワップポイントを貯めてロスカットレートを下げることに勤しみましょう。