トルコはなぜロシア製ミサイルS-400を導入するのか?

エルドアン大統領による欧州諸国への挑戦である

トルコのエルドアン大統領がNATOの航空機の撃墜を目的に設計されたS400地対空ミサイルシステムの輸入を決めたことによりトルコ政府は購入を切望していた米国製のF35戦闘機を手に入れられない可能性が大きくなりました。

トルコはF35戦闘機の代金を支払い済みですがまだ完成品を受け取っていません。

またトランプ政権はロシア製兵器購入を決めたトルコへの経済制裁の実施を法律上求められています。しかしトルコはインフレ率が16%近く、失業率は14%に達して経済は縮小し始めている。制裁が実施されればその内容が小さくても世界の投資家をおびえさせ、トルコリラやトルコ企業の株価を暴落させるでしょう。エルドアンはなぜこうしたリスクを冒すのでしょうか。以下のようなことが考えられます。

エルドアン大統領がリスクを冒す理由

1.欧米諸国による冷遇に反発した。
パトリオット地対空迎撃ミサイルシステムをトルコに売却する約束を米国が履行していないことや、トルコが敵対勢力ないしテロリストとみなすシリア国内のクルド人グループを米国が支援し武器を供与していることを、トルコは指摘する。

2.トルコのEU加盟が実現不可能であるためEU側にも挑発している。
最近、東地中海で発見された巨大なガス田はキプロスの排他的経済水域内であるが、トルコはキプロスを承認しておらず、自国の権益下にあると主張しています。これにキプロス側が反発し後ろ盾のギリシャとともにEUへの働きかけた結果、問題の構図はトルコ対EUに拡大してしまいました。EU側は「EUは団結して対抗する」と述べたそうです。トルコとの航空協定交渉の凍結や欧州投資銀行によるトルコ向け融資の見直しなどが検討されるようです。

まぁ、この件に関してはトルコは晩年貿易赤字のため、エネルギーの輸入を少しでも減らして自国生産に舵を切りたい気持ちがどの国よりも強いのでしょうね。このガス田は今年になって米エクソンモービルが埋蔵量約1400億~2300億立方メートルの巨大なガス田を発見したと発表しました。

3.トルコ経済が弱体していて救いの手を差し伸べてくれたロシア側についた
低迷するトルコ経済と先月のイスタンブール市長選での与党敗北で影響力が弱まったエルドアンはトルコの力の限界に関する厳しい現実に直面しているのでしょう。

今のトルコの置かれている状況はロシアにとってチャンスなのだ。ロシアはトルコと同盟国とのつながりを弱めることで欧米同盟に一撃を加え、より利益に結びつく取引への扉を開き(ロシアはトルコのために原子力発電所を建設している)、中東での存在感を高めた。

一方、トルコが安心してロシアと連携できることは、ロシアの力が弱くなっていることの表れでもある。第2次世界大戦後はスターリンの脅威が、トルコをNATOに加盟させました。トルコが今ロシアと協力できるなら、それは今のロシアがソ連時代に比べればはるかに危険でないからだと思います。

シリアの反政府勢力の支配地域で締めつけを強化するアサド政権軍をロシア政府が支援するのをエルドアンは阻止できずにおり、100万人の難民がいつトルコに流入してきてもおかしくない状態なのです。

トルコリラに投資してしまったことを悔やんでも悔やみきれないです。。。

日々、スワップポイントを貯めてロスカットレートを下げることに勤しみましょう。